現在、自社マーケティング施策としてコンテンツマーケティングを意識している企業は増えてきています。
しかし、思ったように効果が出ていなかったり、実際に何をすればいいかわからない企業の担当者の方も少なくはないかと思います。
その原因は大半の企業が「潜在層・無関心層の獲得」への注意が足りていないからです。
どうしても目先の利益に、、、、その気持ちは十分にわかります。
担当者としては悩ましいところではあります。
Web広告などで顕在層の獲得はお金をかければ多くは成功する事はあります。
ですが、市場の大半を占める潜在層や無関心層に対して、会社として長い目で見ても対策をしていかなければならないことは様々なことで言われています。
今回は「AISCEAS」という考え方からみた潜在層・無関心層の行動パターンに合った訴求方法をお伝えします。
<目次>
1.マーケティングにおけるAISCEAS
AISCEASとは商品やサービスのマーケティングにおいて活用される消費者が商品(サービス)を認知してから購買するまでの行動プロセスのことです。
①Attention(認知・注意)
②Interest(関心)
③Search(検索)
④Comparison(比較)
⑤Examination(検討)
⑥Action(購買)
⑦Share(情報共有)
上記7つの消費者行動プロセスの頭文字からきている言葉となります。
また、このAISCEASには1920年代に提唱された「AIDMA」の進化版のようなものです。
ちなみに、AIDMAとは、、、
①Attention(認知・注意)
②Interest(関心)
③Desire(欲求)
④Motive(動機)
⑤Action(購買)
これはインターネットがより普及する前に、
『新聞やテレビCMで認知し、関心があり欲しいという欲求を持ったユーザーが
販売実数や、芸能人も使ってるなどの動機から購買へ至る』といったプロセスです。
シンプルに「認知」→「感情」→「行動」といった3段階でわかれており、いかに人が”感情”で動いていたかが分かるかと思います。
これは今でも、顕在層をターゲットにしたWeb広告の考え方としては有効です。
インターネットやメディア、SNSなどの普及により購買プロセスの中に様々な情報が溢れてきており多様化してきているのはご存知だと思います。
そうしたインターネットによる情報多様化と消費者の変化によって生まれた新しい考え方として提唱されたのがAISCEASです。
AIDMAと比較すると「③Search(検索)」「④Comparison(比較)」「⑤Examination(検討)」「⑦Share(情報共有)」が追加されており、商品やサービスを導入する前に検索し情報を集め検討するというプロセスを強めた現代にそくしたモデルといえます。
2.今までのコンテンツマーケティング実は、、、顕在層にしかアプローチできていない
AIDMAの考え方だけコンテンツマーケティングをしていては、実は顕在層のみにしかアプローチできていません。
スマホでインターネットをいつでも、どこでも見て情報収集する時代になっていると言われて数年たちますが、まだAIDMAの考え方ををコンテンツマーケティングで行っている企業は少なくはありません。
ポイントはAISCEASではAIDMAと比較すると、検索・比較・検討が加わっていること。
ユーザーが購入するまでに検索し情報を集めてから比較検討するため、この段階で良質コンテンツを提供し比較検討してもらうというのが多く行われています。
しかし、現状は「比較検討段階での良質なコンテンツ」を作れていないことが顕在層にしか訴求できていない原因となります。
この場合どのように記事などのコンテンツを書いているかというと、
ステップ①
関連する検索キーワードを抽出します。
ステップ②
次に、獲得したい、または見込みが高いキーワードを抽出します。
ステップ③
①・②で抽出したキーワードに関連した記事を作成していく。
これらはコンテンツSEOであり、こちらの方法ではロングテールからの流入が期待できるのと同時に、見込みの高いユーザーの獲得できる良い方法ですが、ここで獲得できるのは"検索をするユーザー"です。
本来の潜在層・無関心層を獲得するときのユーザーとは検討も検索もしていないユーザーいるのは事実です。
この検索しないユーザーを獲得するための施策をしなければないないところを、ロングテールから獲得をするための施策をするという矛盾が生じてしまうのです。
3.AISCEASから見る潜在層、顕在層とは
自社ではどの施策を行えばいいのか。その悩みを解決するヒントはAISCEASのプロセスにあります。
このプロセスの中で自社がどこで躓いているかを考える必要があります。
例えば
Ⅰ:新しいサービスでその技術やソリューションが実現できると認知されていない場合
Ⅱ:業界シェアは獲得し顕在層は囲い込めているが、さらなる顧客層拡大を考えている場合
Ⅲ:検索ボリュームが多く知名度が高い商材だが、自社製品の知名度が低く検索順位の上位を獲得が出来ずWebサイトへの流入が少ない場合
Ⅳ:Webサイトへの流入は多いが競合他社の製品力が強く検討されるが購入まで至らない場合
上記Ⅰの場合はそもそも知名度がないサービスのため、「①Attention(注意)」と「②Interest(関心)」に課題があります。
Ⅱの場合も検索していないユーザーをターゲットにするため「①Attention(注意)」と「②Interest(関心)」の施策が必要です。
Ⅲの場合は検索されることが多いが上位表示されていないということで「③Search(検索)」に課題があり、Ⅳでは「④Comparison(比較)」に課題があります。
このようにどのプロセスに課題があるかを把握することで必要な施策が見えてきます。
今回は“検討も検索もしていないユーザー”をターゲットとするためⅠ・Ⅱと同様に「①Attention(注意)」と「②Interest(関心)」の施策が必要になる場合が多いと思います。
このプロセスに効果的な方法をひとつご紹介すると、以前お伝えしましたキュレーションサイトに掲載してもらい不特定多数のユーザーへ訴求することが1つ効果的な策としてあります。
ただこちらは広告費とかけることで掲載してもらえるのではなく、良質なコンテンツ提供をしていくことが必要になります。
4.キュレーションされる記事の特徴
上記であげたキュレーションされるコンテンツについて、その特徴をご紹介します。
Yahooニュースに掲載されている記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150730-00010009-mocosuku-hlth
アンテナに掲載されている記事
https://antenna.jp/news/detail/1595083/
上記よりキュレーションされやすい記事の特徴としては
①アンケートの結果・考察があること
②お客様の生の声があること
があげられます。
ユーザーの声を反映したアンケート記事や、実際のエピソードに基づく記事など、唯一無二のコンテンツは一般的にユーザーの目を引き「面白い!」ケースが多いものです。
そういった種類の「面白い!」記事は独自性が強くメディアにキュレーションされやすい傾向があります。
いかがでしょうか。
今回の記事をご覧いただくとコンテンツSEOが悪いとらわれがちですが、お伝えしたかったことは訴求したいターゲットによってメディアや記事の内容は異なるということです。
今一度自社のターゲットとコンテンツを見比べてみてください。
ターゲットと訴求方法は合っていますか?
まずは、細かい数値を見る前に原状のWebサイト(コンテンツ)と自社商品やサービスがどの立ち位置(AISCEAS)の方向性があっているかを見極めることが大切です。